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高齢者・女性・初心者の筋トレ【理論編】
投稿日 2024年8月11日 11:55:25 (糖尿病 ダイエット)
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2020年9月5日 おやつ編 2 自家ロースト渋皮付きピーナッツ
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2020年9月5日 おやつ編 1 バナナ
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2020年9月1日 今日の一品編 低糖質豆腐餃子
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2020年8月31日 おやつ編 3 パイナップルケーキ
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2020年8月31日 おやつ編 2 自家ロースト渋皮付きピーナッツ
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2020年8月31日 おやつ編 1 バナナ
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2020年8月29日 おやつ編 3 塩豆大福(小豆粒あん)
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2020年8月29日 おやつ編 2 自家ロースト渋皮付きピーナッツ
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2020年8月29日 おやつ編 1 バナナ
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2020年8月23日 おやつ編 3 パイナップルケーキ
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2020年8月23日 おやつ編 2 自家ロースト渋皮付きピーナッツ
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2020年8月23日 おやつ編 1 バナナ
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2020年8月21日 おやつ編 3 塩豆大福(小豆粒あん)
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2020年8月21日 おやつ編 2 自家ロースト渋皮付きピーナッツ
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2020年8月21日 おやつ編 1 バナナ
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2020年8月8日 おやつ編 1 バナナ
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2020年8月7日 おやつ編 3 よもぎ大福(小豆粒あん)
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2020年8月7日 おやつ編 2 自家ロースト渋皮付きピーナッツ
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2020年8月7日 おやつ編 1 バナナ
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2020年7月31日 おやつ編 3 塩豆大福(小豆粒あん)
ヒトは加齢とともに筋肉が減少して行きます。
25歳~30歳ぐらいをピークに、減少の一途をたどります。
一説によれば、70歳ぐらいまでに男女とも30%以上減るらしい。
数値的な諸説はあるものの、加齢とともに筋肉が減っていくのは間違いありません。
加齢とともに筋肉が減少して行くというのは万人に平等ですが、不活動も筋肉が減少します。
つまり、動かないことにより筋肉は減少し、言わばグータラには筋肉減少ボーナス・ステージがあるのです。
不活動がなぜ筋肉の減少をもたらすのか?と言うと、神戸大学大学院医学研究科の研究があります。
動かないと筋肉が減少するメカニズムを解明 | 神戸大学ニュースサイト//cdn.embedly.com/widgets/platform.js
筋肉は、筋肉細胞内にカルシウムが流入することにより収縮が起こります。
そして、不活動(筋肉を動かさないこと)により、筋肉細胞内のカルシウム濃度は低下します。
筋肉内のカルシウム濃度が低下すると、KLF15というタンパク質が増加します。
このKLF15が増加することにより、筋肉は減少してしまうらしい。
更に、このKLF15は、インスリンにより制御される転写因子であるFoxOを介して、その発現が制御されています。
FoxO-KLF15経路は、インスリン欠乏時にONになり、タンパク質分解経路を活性化します。
糖尿病によりインスリン抵抗性が惹起されたり、インスリンが欠乏すると筋肉が減少してしまう理由が正にこれです。
結果的に、糖尿病のグータラが年を取ると、もはやゾンビと見分けが付かない様なモヤシ人間になるか、手足はガリガリなのに太鼓腹のミュータントになるという恐ろしい末路が待ち構えています。
インスリンによる3大栄養素間のバランス維持機構を解明~筑波大学
ほんじゃぁ、糖尿病のポンコツ、あるいは高齢者や女性、初心者が、合理的に筋肉量を増加させるための筋トレを始めるにはどうすれば良いのか?という問題です。
筋トレや筋肥大も、まずはエビデンス
最近、巷では、筋トレインフルエンサーがSNSやYoutubeで話題になっています。
とは言え、我々の様なポンコツ、爺婆、女子供の類にとって、元・現ステロイドユーザーや高重量トレーニングで筋肉を付けた人達の話が、何かの参考になるとは思えないですし、所詮 n=1 の話ばかりで出所の解らない説が多いので、ここはひとつ、まずはエビデンスを見てみましょう。
(もっとも、筋トレの正しいフォーム的な話は、ためになると思います)
まずは、カナダ科学出版発行の「応用生理学、栄養学、代謝学」 第47巻第4号、2022年4月に掲載された「異なるボリュームによる筋トレ後の筋肥大と筋力増加」に関するシステマティック・レビューです。
システマティック・レビューというのは、ランダム化比較試験の論文を数多く集め、系統的にレビューした論文で、メタ分析と合わせ、論文の中ではエビデンスレベルが最高のものです。
この論文は、非常に低い負荷(最大負荷の30%または35レップ以上)、低い負荷(最大負荷の30%~59%または16~35レップ)、中程度の負荷(最大負荷の60%~79%または8~15レップ)、高い負荷(最大負荷80%以上または7レップ以下)を、同等のボリューム(セット数 x レップ数 x 重量)で実施する筋トレ間で、筋肥大と筋力増加を比較した研究の系統的レビューとメタ分析です。
結果は、筋力の場合、ボリュームが同じ場合でも、高負荷でのトレーニングでは低負荷と比較して 筋力のより大きな増加が引き起こされます。
ところが、筋肥大は、ボリュームが同じ場合、負荷の大きさに関係なく同様に肥大します。
つまり、10kgを10回やろうが、100kgを1回やろうが、同様に筋肉は大きくなる訳です。
ほんじゃぁ、低負荷と高負荷でボリュームが違う場合、低負荷・高ボリュームと高負荷・低ボリュームでは、本当に低負荷・高ボリュームの方が筋肥大は大きくなるのか?という疑問への答えが↓の論文です。
Low-Load High Volume Resistance Exercise Stimulates Muscle Protein Synthesis More Than High-Load Low Volume Resistance Exercise in Young Men//cdn.embedly.com/widgets/platform.js
この研究では、最大負荷90%のグループと最大負荷30%のグループに分け、筋肥大の効果を調査しました。
レップ数は、最大負荷90%のグループが5±0.2、最大負荷30%のグループが24±1.1、ボリューム数は、最大負荷90%のグループが710±30.0kg、最大負荷30%のグループが1073±69.9kgです。
結果は、ボリューム数が多い最大負荷30%のグループの方が筋肉合成を高めるのに効果的でした。
一昔前、と言うか最近でも、筋トレ界隈では「高重量こそ正義!」という風潮がありましたが、その常識が近年覆されている訳です。
もちろん、高重量がダメという話ではありません。
別に低重量でもOK、という、正にポンコツ、爺婆、女子供に朗報な話なのです。
もう一つ、総ボリュームの考え方としてのユニークな論文を紹介します。
この論文は、筋肥大を最大限にするには、週に何回筋トレをすべきか?という問いに対するシステマティック・レビューとメタ分析です。
結果は、総ボリュームが同じなら週に何回やっても変わらないというものでした。
つまり、1日で10セットやっても、5日間で1日2セットづつやっても、総ボリュームが同じなら同様に筋肥大するということです。
結局、ボリュームって何なの?
ここまでの話を読んで、中学校で理科を学んだ良い子のみんなは、結局ボリュームというのは「仕事」のことだと気付かねばなりません。
つまり、1レップで行う仕事というのは、力 x 距離。
力というのは単位がN(ニュートン)で、1Nは100gにかかる重力。距離の単位はm。
例えば、1kgのプレートを50cm持ち上げれば、10N x 0.5 が仕事。
そして仕事の単位はジュールで、ジュールは0.24をかければカロリーに変換できます。
要するに、これだけ分の熱量を筋肉が消費したということ。
総ボリュームというのは、この仕事の総量を便宜的に表しているものだと解ります。
この理屈は、まぁ、知らなくても良いと言えば良いですが、知っていると便利なこともあります。
例えば、仕事というのは、力 x 距離ですから、筋トレを行う時に、適当にパーシャルで行うよりも、しかっりとしたフォームでフルレンジで行った方が、仕事(エネルギー)は増えるので筋肥大には有効と理解できます。
高重量でパーシャルで行う高強度筋トレも、距離と重量が解れば仕事(エネルギー)が解るので、フルレンジで重量を何kgまで落とせるか、計算で求めることができます。
そんな計算しながら筋トレやってる人は、いないとは思いますが(笑)
という訳で、いろいろと能書きは理解できたと思うので、次回は、これらを踏まえて、ポンコツ、爺婆、女子供が、無理なく怪我せず、最大限の筋肥大を手に入れるにはどうしたら良いのか?という【実践編】を紹介します。
-つづく-
Source: 糖尿病も3ヶ月で完治する
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